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企業経営は、登山から学べ!

皆さんは登山をしたことがあるだろうか。
例えば富士山山頂まで行って、ご来光を見たい!と思ったらまず何から始めるのか。自然と考えている事だが、大体このような流れを頭に思い浮かべるだろう。

「富士山山頂まで行ってご来光を見たい!」⇒
「でもそもそも自分の体力で登れるのか?」⇒
「富士山ってどれくらいで登れるの?」⇒
「準備は何をしたらいいのか?」⇒
「誰と、いつ行こうか?」

以上の流れで、富士山にトライしていく。この思考経路は経営を行う際にも、非常に重要な考えだ。この思考経路を言い換えると以下のようになる。

「富士山山頂まで行ってご来光を見たい!(①目標・あるべき姿・理想)」⇒
「でもそもそも自分の体力で登れるのか?(②現状分析)」⇒
「富士山ってどれくらいで登れるの?(③現状とのギャップ・問題)」⇒
「準備は何をしたらいいのか?(④やるべき事・課題)」⇒
「誰と、いつ行こうか?(⑤計画策定)」

このように①~⑤の順番で考える事が非常に重要。ビジュアル化すると下記の通り。

経営者や経営コンサルタントが、企業成長を目指すうえでは、①理想⇒②現状⇒③問題⇒④課題⇒⑤計画の順番で検討していかなければならない。この順番を抜かして「何をしたらいいのか?」といった、課題・戦略から入ってしまうケースが非常に多い。経営に置き換えて考えると下記のようになる。

「来季売上は10億円を目標にしよう(①目標・あるべき姿・理想)」⇒
「今期売上は8億円の予想だ(②現状分析)」⇒
「このままだと2億円のショートが発生する(③現状とのギャップ・問題)」⇒
「2億円を埋めるために何をしたらいいのか(④やるべき事・課題)」⇒
「やるべき事をどのように実行していこうか(⑤計画策定)」

それでは各ステップを①~⑤を解説していく。

それでは各ステップのアプローチを解説していく事にする。

目標・あるべき姿・理想の設定

いきなり結論から述べるが、目標設定は根拠は不要で、なりたい状態を設定すれば良い。「理由は無いしし、できる保証もないが、こうなりたい」でOKだ。皆さんも、営業でノルマを設定された事がある人もいるだろう。「このノルマの根拠は?」と考える事はあまり無いと思う。「やるしかないな」となり、目標に向かって行動を開始するのだ。

もちろん、現状とかけ離れすぎている目標を設定すると、逆に出来ない言い訳を作ってしまう。そのため、ある程度目標は現実的な範囲内で良い。ただ、少し背伸びをした目標を設定して欲しい。人は目標に向かって達成するために行動するが、「この目標だったら簡単にいきそうだな」という目標を設定すると、無意識のうちに力を加減してしまうのだ。

つまり、年商1億円と目標を設定したら、絶対に年商2億円は到達しない。恐らく年商8,000万円~1億1千万円で着地するのである。年商1億円はこの調子ならいけそう、であれば目標は1億5千万円にしよう。

今回会社の目標について述べているが、個人に落とし込んだ際にも同じことが言える。個々の社員目標は、達成出来るかどうかギリギリのラインを設定する。すると社員はその目標を達成するために、創意工夫を始めて、どんどん成長していく。出来れば上司と当該社員が、しっかり話し合って、お互いが納得いく目標を設定すれば、より効果的だ。

最後に、その目標が達成されている状態を想像し、重要となるファクター(要素)を分析する。例えば売上2億円目標で、必要なファクターは、『営業マン10名』『社員一人当たり売上2,000万円』『顧客20社』という感じだ。

【まとめ】目標・あるべき姿・理想の設定方法
・目標は根拠なく設定してOK
・普通に達成しそうな目標ではなく、少し背伸びをした目標にする
・会社目標も個人目標設定も同様に考える
・目標達成している状態を想像し、重要となるファクターを定性・定量的に設定する

現状分析方法

目標達成のために必要なファクター(要素)をもとに現状を分析する。上記の例で記載したように、売上2億円を達成した時は、『営業マン10名』『社員一人当たり売上2,000万円』『顧客20社』という状態だ。つまり、『営業マンの数』『社員一人当たりの売上額』『顧客数』について現状どうなのか、を把握すれば良い。

また現状に関しては、将来予想と比較して、より具体的に分析が可能。よって、重要となるファクターだけでなく、目標達成に向けて『メリットが生じる要素』『阻害要因』を把握する事。

現状とのギャップ(問題)分析

目標(あるべき姿)と現状を分析出来たら、現状とあるべき姿とのギャップを分析する。このギャップは『問題』と定義されている。この問題を正確に把握する事が、有意義な行動計画策定に繋がる。

それでは例を挙げて、問題分析を行っていく。


目標:売上2億円【ファクター:営業マン10名、社員一人当たり売上2,000万円、顧客20社】
現状:売上6,000万円【ファクター:営業マン6名、社員一人当たり売上1,000万円、顧客15社】


ここで現状とあるべき姿とのギャップを分析すると、


問題:売上▲1億4,000万円
【ファクター:営業マン▲4名、社員一人当たり売上▲1,000万円、顧客▲5社】


上記のようになる。これが問題と言われる部分だ。今回分かりやすいように簡単な例となっているが、実際も同じように分析して問題を把握する。

やるべき事(課題)の設定

ここまで分析できたら、これからは、やるべき行動を設定する。問題解決のためにやるべき行動内容は、『課題』と定義される。

上記の例を踏襲して考えると、


問題:売上▲1億4,000万円
【ファクター:営業マン▲4名、社員一人当たり売上▲1,000万円、顧客▲5社】


なので、営業マン4名採用・生産性1,000万円向上・顧客5社開拓のために何をすべきかを考える。


課題:
営業マン4名採用の為に、『ダイレクトリクルーティング』『月2回セミナー開催』
生産性1,000万円向上の為に、『毎日ノウハウ共有』『アップセル件数10%UP』
顧客5社開拓の為に、『毎日100通架電』『毎日DM送信』『全既存へ依頼して紹介をもらう』


課題設定に関しては、なるべく定量的に設定する事。この後計画を策定する際にも、数字で語っていかないといけないからだ。

計画策定方法

最後に、課題を実行するための具体的な行動計画を策定する。ここでは『日時』『人数』『金額』など、定量的に数字で語れるように作成する事が重要。

計画に関しては長期計画・中期計画・短期計画と分かれる。通常長期計画を策定してから、中期計画・短期計画と落とし込んでいく。その為、長期計画はあまり変更をしない方が良い。逆に短期計画は、日々状況が変わる事から、頻繁に軌道修正をしながら作成していく。また計画に関しては、その行動・結果に対する責任者を設定する。


長期計画:数年単位でやるべき事を設定
中期計画:年間でやるべき事を設定
短期計画:月次・週次でやるべき事を設定
※全ての行動・結果に責任者を設定する


このように、会社経営・個人ノルマ達成のためには、①理想⇒②現状⇒③問題⇒④課題⇒⑤計画の順序を守って、進めていく必要がある。

特に問題は『ヒト』関係の問題が多い。つまり社員教育・採用・人事制度見直し・マネジメントなどだ。そういった『ヒト』に関わる問題はすぐ解決できるものは少ないが、経営にとって非常に重要なファクターだ。

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