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M&A仲介会社

M&A仲介会社の仕事内容と業務フローの詳細


M&A(Mergers and Acquisitions)仲介会社は、企業の合併や買収を成功に導くために、売り手と買い手を橋渡しする重要な役割を果たします。M&A取引は、企業の成長戦略において重要な手段の一つであり、新たな市場への参入や技術の獲得、競争優位の確立を目指す際に利用されます。この記事では、M&A仲介業務における具体的な仕事内容と、その各プロセスに必要なスキルについて、詳細に解説していきます。

案件発掘: 市場の可能性を探る


案件発掘は、M&Aプロセスの最初のステップであり、成功に直結する非常に重要な段階です。ここでは、企業のニーズを見極め、売り手企業や買い手企業を探し出すことが求められます。このプロセスでは、様々な営業手法を駆使して潜在的な取引先を発掘します。

仕事内容

案件発掘では、まずクライアントの事業戦略や成長ニーズを詳細にヒアリングし、それに基づいて適切な売り手・買い手候補をリストアップします。具体的な営業手法としては、次のような方法が取られます。

架電(コールドコール)

クライアント候補となる企業に対して電話でアプローチし、興味のある企業を引き出します。初期段階の接触として効果的な手法です。

紹介

既存のネットワークや取引先からの紹介を活用し、潜在的な案件を獲得します。業界内の信頼関係を活かすことで、案件の成約率を高めます。

訪問営業

企業に直接足を運び、経営層と対面で話し合いを行うことで、より深い関係を築きます。特に、現場の雰囲気を掴みながらのアプローチは重要です。

手紙(ダイレクトメール)

クライアント候補に対して手紙やメールで正式な提案を送付し、関心を引く手法です。具体的な提案を含め、信頼感を持たせることができます。


これらの営業活動により、M&A仲介者はクライアントのニーズと市場の状況を結びつけ、潜在的な案件を発掘していきます。

対象営業先の特徴

M&A案件の対象となる営業先企業には、いくつかの共通する特徴があります。まず、成長機会を模索している企業や、市場シェア拡大を目指している企業は積極的に案件に興味を示します。また、企業の業績が安定している一方で、新たな事業領域への進出や経営戦略の再構築を目指す場合もM&Aが選択肢となります。特に、次のような企業が対象として挙げられます。

中堅規模企業

市場で一定のシェアを持つ中堅規模の企業は、さらなる事業拡大を図るためにM&Aを検討することが多いです。特に、技術力や製品開発力を強化したい企業は、M&Aを通じてその目的を達成しようとします。

事業承継を検討中の企業

高齢化による事業承継の問題を抱える中小企業は、M&Aを通じて後継者問題を解決することが多くあります。経営者の引退や家族内での後継者不足に直面している企業は、M&A仲介者に相談を持ちかける傾向があります。

新規市場進出を目指す企業

国内外の新規市場に参入したい企業もM&Aを通じて、その戦略を実行に移すことがあります。特にグローバル市場や新興産業に関心を持つ企業は、M&Aを検討しやすいです。

業界再編の動きがある企業

業界全体が再編の波にある場合、競争力を維持・強化するために他社との合併を検討する企業が対象となります。このような企業は、M&Aによるスケールメリットやシナジー効果を重視します。

必要なスキル

市場の変化を敏感に捉え、適切なタイミングでアプローチできる能力が必要です。架電や訪問営業の際には、コミュニケーション能力や交渉力も重要です。また、紹介やネットワークの活用には、信頼関係を築くための人間関係構築スキルが求められます。さらに、手紙やメールを用いたアプローチでは、クライアントに共感される提案書の作成能力も必要です。

交渉: 双方の利益を最大化する


交渉は、M&A取引の核心となるステップであり、取引の成否を左右します。この段階では、売り手と買い手がそれぞれの条件を提示し、双方の利益を最大化するための合意を形成します。しかし、M&A交渉は、通常のビジネス交渉と比べても非常に難しい局面が多々あります。双方が異なる期待を持ち、時には対立する利益を調整するため、M&A仲介者のスキルが試されます。

交渉の難しさ

まず、価格の合意が最も大きなハードルです。売り手は自社の企業価値をできる限り高く評価しようとする一方、買い手はリスクを考慮してできるだけ安く買いたいと考えます。これにより、双方の価格ギャップを埋めることが非常に困難になります。また、価格以外にも、取引条件や支払いスケジュール、アフターM&Aにおける責任分担など、細かい部分での交渉が難航することがあります。例えば、デューデリジェンスで発見された潜在的なリスクに対して、買い手がどのように保証を求めるか、売り手がどこまで受け入れるかが争点になります。

感情が絡む交渉の特徴

交渉の過程では、特に売り手側の感情が大きく影響することがよくあります。売り手が長年築いてきた企業や事業に対する愛着や誇りがある場合、感情的な判断が交渉を複雑にする要因となります。以下に、具体的な感情が交渉に与える影響を説明します。

売り手の感情的な側面

企業への愛着と誇り: 特に創業者や長年企業を経営してきたオーナーは、会社そのものを自分の人生の一部と感じていることが多く、企業を「売る」という行為が非常に感情的な決断となります。売り手は、自らの作り上げた事業がどのように扱われるのかを非常に重視し、売却後の企業の運命や従業員の処遇について敏感になります。例えば、買収後の経営方針や企業文化の維持に対する要求が、価格や条件の交渉に影響を与えることがあります。


従業員への思い: 売り手の経営者は、従業員を家族のように感じている場合が多く、M&A後の従業員の処遇や雇用継続に関して強い感情を抱くことが一般的です。このため、従業員の立場や福利厚生、雇用の安定を守ることが売り手にとって非常に重要な交渉事項になります。場合によっては、従業員の処遇に関する買い手の意向が、価格よりも優先されることさえあります。

買い手の感情的な側面

投資リスクへの懸念: 一方で、買い手側は常に投資リスクを意識しており、交渉の場でリスクに対する不安や懸念が強まることがあります。特に、企業調査で発見された問題や、売り手が提供する情報に対する不信感が生じると、感情的に取引の進行をためらうこともあります。また、価格交渉が行き詰まると、感情的な対立が生じやすくなります。


競争心理: M&Aはしばしば他の買い手候補との競争となるため、買い手は取引の成功に強いこだわりを持ち、競争に勝ち抜くことに感情的な価値を見出すこともあります。この心理が過度な競争心を生み、価格を高くつけすぎたり、リスクを過小評価する場合があります。

感情が交渉に与える影響

冷静さの欠如: 感情が高ぶった状況では、双方が冷静な判断を欠くことがあり、交渉が膠着状態に陥ることも少なくありません。特に売り手が会社への強い愛着を持っている場合、理性的な価格交渉が難航しやすくなります。また、感情的な対立が激化すると、信頼関係が崩壊し、最悪の場合、取引そのものが破談になるリスクもあります。


仲介者の役割: こうした感情的な交渉において、M&A仲介者は感情をうまくコントロールし、双方の冷静な判断をサポートする役割を果たす必要があります。仲介者は、双方の感情に寄り添いながらも、取引の全体像を客観的に把握し、合理的な解決策を提案することが求められます。例えば、売り手の従業員への配慮に基づく条件を尊重しながらも、買い手が負うリスクを軽減する提案を行うなど、双方にとって納得のいく合意を形成するための橋渡し役としてのスキルが重要です。

契約締結(デューデリジェンス含む): リスクを見極める


契約締結は、M&Aプロセスの中でも時間がかかる重要な段階です。このステップでは、デューデリジェンス(企業調査)が行われ、売り手企業の財務、法務、税務、運営状況が徹底的に調査されます。これにより、買い手が売り手企業の潜在的なリスクを把握し、契約条件を調整する基盤が整えられます。

企業調査の詳細

デューデリジェンスは、M&A取引における最も慎重な作業のひとつです。この段階では、売り手企業の全体的な健全性を確認し、買い手が将来的なリスクを予見できるようにします。

財務デューデリジェンス

企業の財務諸表を基に、収益構造、利益率、キャッシュフロー、負債状況、資産の評価などを詳細に調査します。特に、過去の財務記録から将来の業績予測や潜在的なリスクを評価することが重要です。また、資金繰りや負債の構造が問題になることが多く、ここで発見された不備が取引価格に影響を与えることがあります。

法務デューデリジェンス

契約書やライセンス、法的義務に違反していないか、訴訟リスクがあるかを確認します。特に、知的財産権や労働法に関するリスクが買い手にとって大きな懸念事項となる場合があります。また、過去の訴訟や契約違反の履歴も入念にチェックされます。
税務デューデリジェンス: 税務上の不備やリスク、過去の申告内容に問題がないかを確認します。企業が税法に従って適切に納税しているかどうか、税務リスクが後々発生しないかを検討することが重要です。

ビジネスデューデリジェンス

企業の事業運営におけるリスクや、競争力、顧客ベース、サプライチェーン、そして市場でのポジションを確認します。市場動向や競合分析も含め、M&A後の成長戦略において重要な役割を果たします。

人事デューデリジェンス

企業の従業員構成、福利厚生、労働契約、組織文化についても調査されます。特に、買収後の従業員の引き留めや、優秀な人材の流出リスクを回避するための措置が重要視されます。


これらの調査によって発見されたリスクは、取引価格の調整や契約条件に影響を与え、さらなる交渉が必要になる場合があります。

期間の目安

通常、デューデリジェンスには数週間から数か月の期間を要し、企業の規模や業界によって異なります。小規模企業の場合でも、3か月から6か月が一般的な目安です。調査の結果によっては、新たなリスクが浮上し、契約締結までのプロセスがさらに長引くこともあります。

クロージング: 成功を確実にする


クロージングは、M&A取引が最終的に完了するステップで、非常に慎重に進められなければなりません。この段階では、契約書に基づいた資産の移転や株式の譲渡が行われ、法的な手続きが完了します。クロージングの成功は、取引全体の成否を決定づけるため、細部に至るまで厳重にチェックされる必要があります。

クロージングでの注意点

資産移転の手続き

クロージングでは、企業の資産、負債、権利、ライセンス、契約などが買い手に移転されます。この過程で、すべての資産が適切に移管され、未解決の問題や抜け漏れがないかを確認することが不可欠です。例えば、不動産や知的財産権の移転手続きが不完全であると、取引後にトラブルが発生する可能性があります。

株式譲渡

株式の譲渡は、法的および契約上の条件がすべて満たされていることが確認された後に行われます。特に、株主や取締役会の承認、そして譲渡に伴う税務手続きがスムーズに進むかどうかが重要です。

支払いスケジュールの確認

買い手は、契約で合意した支払いスケジュールに従って、取引金額を支払います。支払いの方法(現金、株式交換、その他)やタイミングについて明確にし、遅延や不履行が発生しないようにします。

契約条件の遵守

買い手と売り手が交渉の結果合意した条件(支払い、アフターM&Aの責任分担、企業ガバナンスなど)が適切に履行されるかを確認します。特に、契約書に記載された条項が法的に有効かどうかを弁護士が最終確認します。

税務および法務の最終確認

クロージングに至るまでの過程で、税務や法務に関する手続きがすべて適正に行われているか最終確認を行います。納税手続きや法的義務が不完全であると、買い手にリスクが発生します。

従業員の契約と引き継ぎ

買収後の従業員の契約継続や新たな労働条件の調整が円滑に行われることが重要です。クロージングの段階で従業員への説明や再契約手続きが必要になることもあります。

クロージングのリスク

クロージングにおいて特にリスクとなるのは、取引直前に発覚する未解決の問題や、当初合意していた条件が実行段階で変更されるケースです。また、取引完了後に新たなリスクが顕在化することもあるため、事前の徹底的な確認が必要です。


クロージングはM&Aプロセスの最終段階であり、この段階でのミスは取引全体を危険にさらすため、弁護士、会計士、税理士などの専門家が緻密にサポートすることが不可欠です。

まとめ

M&A仲介業務は、単なるビジネス交渉や取引のサポートにとどまりません。それは、企業の未来を形作り、産業を再編成し、新たなビジネスチャンスを創出する重要な役割を担っています。仲介者としての仕事は、単に取引を成立させるだけでなく、企業がさらなる成長を遂げ、新たなステージへ進むための架け橋となるのです。

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