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ケース面接で「ボロボロ」にならない為の例題・対策を徹底解説!


採用面接で新卒・中途面接問わずに、ケース面接が実施される会社がある。

①どんな会社で出題されるのか、
②ケース面接とは何か、
③ケース面接の対策は何をすれば良いのか、

という構成で解説していく。

ケース面接でボロボロならない為に4つの出題を把握する

ケース面接が出題される会社の多くは、

・コンサルティングファーム全般
・事業会社 経営企画ポジション
・ファンド業界
・無形商材の営業会社

のいずれかに該当している場合だ。いずれも『ロジカルシンキング力』『ポテンシャル』『発想力』『基礎的な業界知識』の確認でケース面接を出題する。

ケース面接対策 その01:ロジカルシンキング力

『ロジカルシンキング力』とは、物事を頭で整理して「なぜそう言えるのか」を理解し、相手に分かりやすく伝える事が出来るスキルだ。順序立てて、ファクト(事実)やエビデンス(証拠)を参考にして、納得感を持たせることが出来れば良い。

ケース面接対策 その02:ポテンシャル

『ポテンシャル』とは、未経験の事柄に対しての対処力である。業務を遂行する中では、必ずこれまで経験したことが無い事象に直面する。その際に、どのように上手く対処するか、というところを面接官は見てくる。

ケース面接対策 その03:発想力

『発想力』とは、自分ならこう考える、というイメージが出来る力である。戦略コンサルティングファームや、事業会社経営企画では、ゼロイチ事業を立ち上げる事に関わる。その際に、既存の事象から新しいビジネスを生み出す必要があり、その際には発想力が試される。そのほかの企業でも、自分だからこう考える、というスタンスを持つことで評価は高くなる。

ケース面接対策 その04:基礎的な業界知識

『基礎的な業界知識』とは、その業界、そのポジションで求められる全ての知識の中で、未経験であったとしても最低限自分で身に付けられる知識を指す。例えば、IT業界の経営企画の選考であれば、『競合他社の強み・弱み』『IT用語』『IT業界で現在注目されているビジネスモデル』などである。もし経営企画で投資事業も行っている場合は、『M&A業務フロー』『M&A業界の動向』なども事前に調べておく必要があるだろう。そのため、書籍やネットを活用して、事前に覚えるべき内容はメモを取っておこう。

ケース面接で「ボロボロ」にならない為にも、「各企業で何を見ているのか」は少し異なってくるので、事前に過去出題された面接事例を把握しておく事も重要だ。

 

ケース面接対策に必須「フェルミ推定・業界知見・事例考察」※例題付き


ケース面接は様々な定義があるが、明確な正解が無い問題であり、「あなただったら、どう考えますか」というスタンスで聞いてくる事が多い。ケース面接は『フェルミ推定』『業界知見』『事例考察』に分かれる。一番頻出なのは『フェルミ推定』系のケース面接だ。

『フェルミ推定』系のケース面接(頻度★★★/難易度★★)

数を求めさせる問題。明確な答えが無い。「どれくらいになりますか」と定量的な回答を求められる。これは『量を計算させる問題』と『売上を計算させる問題』との2分類に出来る。

下記はフェルミ推定の質問例だ。


質問例:
『量を計算させる問題』
日本のコンビニの数はどれくらいか
日本に美容院は何店舗あるか
いま歩いている人は日本に何人いるか
日本にはペットとして犬は何匹飼われているか

『売上を計算させる問題』
家の近くのカフェの1か月の売り上げはどれくらいになるか
今年広告業界の市場規模(=売上合計)はどれくらいか
今年1年間の国内旅行の市場規模はどれくらいか


このようにフェルミ推定は、『量』もしくは『売上』を計算させる問題を出題する。そのため、量を計算するコツ・売り上げを計算するコツを掴む必要がある。後ほど対策方法で解説していく。

『業界知見』系のケース面接(頻度★★/難易度★★)

『業界知見』系ケース面接とは、受ける企業の業界知識を持って回答が求められるというものだ。『業界のトレンド』もしくは『業務内容』いずれかについての質問が多いので、その対策をしておけば良い。

こちらも質問例を記載しておく。


質問例:
『業界のトレンド』についての質問
・(M&Aアドバイザリー会社にて出題):企業買収のニーズがある会社は、どのような目的を持っている事が多いか、事例をもとに説明せよ
・(医療コンサルティングファームにて出題):ヘルスケア業界において、医師のニーズは実際どのようなものがあるか
・(IT企業経営企画にて出題):今のITビジネスで起きているトレンドを説明せよ
・(人材紹介会社にて出題):優秀な人材の確保のために、企業が行っている施策を述べよ

『業務内容』についての質問
・(コンサルティングファーム全般で出題):沖縄の路面バス会社の売り上げを上げる施策はどのような事が考えられるか
・(コンサルティングファーム全般で出題):和菓子メーカーの利益率を上げるためには、どのような施策をとるべきか
・(戦略コンサルティングファームにて出題):外資系時計メーカーが日本に進出する際に、どのようなマーケティング戦略を提案するべきか
・(財務コンサルティングファームにて出題):財務デューデリジェンス・企業価値評価のやり方を説明せよ
・(ハンズオン型コンサルティングファームにて出題):初期段階で企業の課題抽出の為に行うアプローチ方法を説明せよ
・(事業会社マーケティング部署にて出題):自社ホームページのSEO対策としてどのような施策が考えられるか


このように専門的な質問が出題される。明確な正解は無いが、このタイプの質問にはある程度の正解となる内容が用意されているので、大きく逸脱しないように、事前準備をしなければならない。
また、コンサルティングファームでは、『売上UPの施策』『利益UPの施策』『マーケティング戦略』が超頻出の質問となる。こちらも後ほど対策方法で解説する。

『事例考察』系のケース面接(頻度★★/難易度★★★)

最後に『事例考察』系ケース面接とは、実際に合った事例をもとにその理由を考察させる問題が出題される。なぜそうなったのか、を知識・仮説をもとに考察していく必要があり、難易度は高い。関連業界から出題される場合もあるが、まったく関係無い業界から出題される事もある。

下記が『事例考察』系のケース面接の質問例だ。


質問例:
・何故コンビニではピザを販売されないのか
・サントリーホールディングス株式会社は何故、広告宣伝費to売上の転換効率が悪い『ペプシ』に宣伝費を敢えて投下し続けるか
・株式会社ニトリホールディングスは、株式会社島忠を直前の市場価格に対して91%のプレミアムを付けて買収したが、それほど高値でも買収する意図は何か


非常に具体的な事例をもとに理由を求められる。知識があればある程度回答出来るが、知識が無い場合は、仮説を立てて回答していく必要がある。このケース面接に関しては、具体的事例をもとにしているので、ある程度正解があるのだが、求められているのは正しい答えではなく、考察力である。

ケース面接の対策方法 ※例題付き

まずケース面接の流れについて知っておく必要がある。どんなケース面接の種類が来ても同様なので安心して欲しい。ケース面接は下記のように進んでいく。

ケース面接の流れ

ケース面接の流れを把握するために、まずは下記の会話例を参考にして頂きたい。


序盤の会話例:
面接官:「ではケース面接を始めます。あるカフェの売り上げを上げる施策を考えてください。5分考えていただき、その後、答えに至った理由とともに回答してください。」
たろう:「分かりました。まず前提条件について確認させてください。カフェの店舗の大きさ、立地に関してはこちらで仮定して宜しいでしょうか。」
面接官:「問題ありません。質問した内容以外は、ご自身で仮定してもらって結構です」
たろう:「承知致しました。」


ケース面接では、数分間与えられ、その間に回答を作成する。また、こちらから面接官に対して、前提条件のすり合わせの質問をしても良い。
時間が経ったら、面接官から「回答をお願いします」と言われるので、用意した回答を述べる。一通り回答が終われば、面接官が気になったポイントを質問されるので、ディスカッション形式で話を進めていく。

それではケース面接の種類ごとの対策方法について解説していく。

『フェルミ推定』対策

既述したように、フェルミ推定は『量を計算させる問題』と『売上を計算させる問題』に分類出来る。

『量』を計算させる問題について

「日本に美容院は何店舗あるか」「いま歩いている人は日本に何人いるか」など、『量』を計算させる問題に関して覚えておくべき知識は下記の通り。


【1】日本についての基本的知識(2022年時点)
(※『日本では~』と日本が前提条件になっている質問が大半を占めているから)
・国土面積:約38万㎢
・人口:1億2,500万人(男女比は半々。2050年には約1億人になる予想)
・生産年齢人口:(15歳~64歳)7,400万人
・高齢者人口:(65歳以上)3,600万人
・企業数:大企業1万社、中小企業380万社
・世帯:5000万戸
・平均年収:430万円
・平均寿命:80歳
・労働人口:6,800万人
・年間出生数:80万人
・学校の数:(小学校)20,000校(中学校)10,000校(高校)5,000校(大学)750校


【2】分類の仕方
・男女で分ける(例:男性なら~、女性なら~)
・地域で分ける(例:東北地方なら~、中国地方なら~)
・年齢で分ける(例:10代から30代は~、40代以降は~)
・時間で分ける(例:朝は~、昼は~、夜は~)


【1】日本についての基本的知識 を活用して、【2】分類の仕方 を活用してフェルミ推定を行う。
例えば「日本に美容院は何店舗あるか」という質問に対しては、このように回答する。


『日本に美容院は何店舗あるか』
回答例:
まず理容院・美容院すべて含めて考える(←前提条件をすり合わせておく)。
店舗数の算出方法は、需給バランスが取れていると仮定して、需要量=供給量とする。
(←数を算出する際には、需要量=供給量と仮定すると便利)
日本の人口は1億2千万人で、男女で分けて計算する。
まず全国民の需要量を計算する。
男性は2ヶ月に1回、女性は3ヶ月に1回美容院に行くと仮定すると、
男性:6,000万人×6回/年=3億6,000万回
女性:6,000万人×4回/年=2億4,000万回
となり、合計6億回の需要量となる。
供給量に関しては、一店舗当たりの供給量を計算すれば良い。
3名(在籍美容師)×2件(1人の美容師が1日に担当する客数)×240日(営業日数)=1,440件
つまり、美容院の数は、総需要6億回÷店舗当たり供給量1,440件=約42万店舗 となる。


このように、覚えておくべき知識を活用して回答を導き出す。

『売上』を計算させる問題について

「家の近くのカフェの1か月の売り上げはどれくらいになるか」 「今年広告業界の市場規模はどれくらいか」など、『売上』を計算させる問題については、需要側目線と供給側目線で考える。下記の式は是非覚えておきたい。

【暗記】売上の求め方

【需要側目線】
・市場規模 = 客数 × 単価
・客数 = 全人口 × [利用する割合] × [年間利用頻度]
【供給側目線】
・市場規模 =全企業(店舗)の総売上
・全企業(店舗)の総売上= 企業(店舗)数 × 1企業(店舗)あたりの売上

また分類の仕方に関しては、

【分類の仕方】
・男女で分ける(例:男性なら~、女性なら~)
・地域で分ける(例:東北地方なら~、中国地方なら~)
・年齢で分ける(例:10代から30代は~、40代以降は~)
・時間で分ける(例:朝は~、昼は~、夜は~)

上記のように『量』を計算させる問題で使用した考え方で大丈夫。

これらを用いて、需要側目線、供給側目線いずれを用いたら良いのかを考えながら、例題を解説する。


『缶コーヒーの国内市場規模はどれくらいか』
回答例:
まず前提条件として、缶コーヒー1本の値段を120円とする。
この問題は、需要側目線が有効だと考えられる。つまり客数×単価で市場規模を算出させる。また、缶コーヒー消費者は年齢に応じて変化すると考えられるので、年齢別に計算する。
分かりやすく計算するため、
・生産年齢人口:(15歳~64歳)7,400万人
・高齢者人口:(65歳以上)3,600万人
に分け、0歳~14歳は缶コーヒーは消費しないものとする。
次に頻度の計算だが、生産年齢人口は週に2回(年96回)缶コーヒーを消費すると仮定し、高齢者人口は週に0.5回(年24回)缶コーヒーを消費すると仮定する。

すると、下記の計算が出来る。
【生産年齢人口】7,400万人×【単価】120円×【頻度】96回+
【高齢者人口】2,000万人×【単価】120円×【頻度】24回
=約9,100億円 となる。

上記のように、売上や市場規模の算出の際には、需要側・供給側いずれの目線でとらえたら良いのかをまずは考える。その次に、分類の仕方を考えて計算していくと良い。

『業界知見』対策

こちらは既述したように、『業界のトレンドについての質問』『業務内容についての質問』に分ける事が出来る。それぞれの対策方法について解説する。

『業界のトレンドについての質問』対策

この質問に関しては、文字通り『当該業界がどのような動向となっているか』を準備していればいい。つまり、業界で起きそうなことを調べて、自分の口で話せるようにする。参考情報としてはネットでも書籍でも大丈夫。下記の問いに対して回答出来るようになれば、業界トレンドについては語れるだろう。

【準備すべき回答】
・当該業界は今後市場規模はどう伸びていきそうか。その理由も答えよ
・当該業界の大きな課題はあるか。またそれをどのように解決したらいいか
・当該業界に入社したら、あなたはまずどのような事をしたいのか
・当該業界の競合他社の特徴を述べよ
・当該業界で顧客の一番大きなニーズは何か。またどのように変化していきそうか

上記を自分が受ける業界に当てはめて回答を準備すれば問題無く対応できるだろう。対策としては一番やりやすいので、必ず準備しておこう。

『業務内容についての質問』対策

この質問に関しては、自分が選考してるポジションの業務内容を深く理解することが対策となる。つまり、業務フロー図をイメージして、各フェーズで何をやっているのかを、ひとつづつ理解していかないといけない。

一例として、財務コンサルティング業務フローを作成した。

業務フローを理解するには、

・どのようなフェーズに分かれるのか
・それぞれのフェーズで『実施事項』『成果物』『依頼主』『作業内容』は何か

を理解していかなければならない。
そして、各フェーズで分からない用語を調べて、自分の言葉で話せるようにする。

またコンサルティングファームで頻出なのが、『売上UPの方法』『利益UPの方法』『マーケティング方法』の3つである。こちらも業務フローに従って、コンサルタントがどのようにクライアントへアプローチしているのかを理解すれば回答が出来るので、準備していただきたい。

◆参考情報 【対策の時間が少ない方向け】売上・利益・マーケティングについて

・売上を上げる方法
売上は『単価×数量×リピート率』で計算される。そのため、単価・数量・リピート率のあげ方を考察すれば良い。


・利益を上げる方法
利益は『売上-原価』で計算される。そのため、売上のあげ方・原価の下げ方を考察する。


・マーケティング戦略について
3つの戦略をまず覚える。①コストリーダーシップ(価格最安値)②差別化戦略(唯一無二なサービス)③集中戦略(顧客層・ニーズを絞り込む)

『事例考察』対策

『事例考察系』の質問に関しては、これまで解説してきた対策内容を全て網羅出来ていれば回答する事が出来る。『事例考察』系の質問はジャンルが分かれていないので、その場の機転も必要。結果的に難易度も高くなる。ただ出題頻度は他のケース面接と比較して低い。

特徴としては、『理由(原因)』を聞かれる事だ。理由(原因)考察のコツは、『結果の状態を深堀する事』である。結果の状態から逆算して、理由(原因)を考察していこう。

これまで色々なケース面接について解説していったが、対策方法を認識いただけたら、まずは場数を踏んで欲しい。色々な種類の問題に触れる事で、パッと頭に浮かんでくるようになる。『事例考察』系の質問対策に関しては、場数を踏む事で臨機応変に対応が出来るようになる。

最後となるが、ケース面接の問題に触れていくうちに、分類の仕方や、回答方法にはパターンがある事が分かる。「このケース問題は、あのパターンか」となるまで、色々な種類の問題に触れる事が重要。

まとめ

今回は「ケース面接で「ボロボロ」にならない為の例題・対策を徹底解説!」ということで解説してきました。
例題も踏まえて解説してきましたが、ケース面接で抑える点は、

・ケース面接が出題されやすい業界を把握
・4つの出題内容を事前に把握
・3つのケース面接内容の質問例を把握

しておくことが大事です。
当日のケース面接でボロボロにならない為にも、事前のシミュレーションと下調べはしっかりと行っておきましょう。
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